十二支には、それぞれ陰陽五行や季節、方角がある。
前回はさらに、
その十二支の内側に隠された十干である「蔵干」まで見てきた。
ここまでで、一人の命式を構成する材料は少しずつ見えてきた。
では、二人の十二支が出会ったときはどうなるのか。
子と丑。
子と午。
寅と申。
同じ「子」という十二支でも、相手が丑なのか午なのかによって、
二つの気の間に生まれる動きは違ってくる。
算命学では、こうした十二支同士の結びつきや分離、ぶつかり合いを見る方法を
「位相法(いそうほう)」という。
位相法では、十二支同士に一定の「約束事」があると考え、
その組み合わせから現実面にどのような動きが生まれやすいかを読んでいく。
ただし、
「合があるから相性がいい」
「対冲があるから別れる」
という単純な吉凶判定ではない。
まとまることで強くなるものもあれば、
まとまりすぎることで身動きが取りにくくなることもある。
反対に、壊れたり離れたりする作用が、新しい方向へ進むきっかけになることもある。
恋愛相性で大切なのは、
「良いか悪いか」ではなく、
二人が出会ったときにどんな動きが生まれやすいのかを見ることである。
今回は、十二支同士の関係を読み解く「位相法」を見ていこう。
合法だから吉、散法だから凶とは限らないという考え方は、算命学の位相法そのものにも明確に示されている。
位相法とは?
位相法は、算命学の陰占で使われる考え方の一つ。
十二支を円形に配置すると、それぞれの十二支には決まった位置関係がある。
- 真正面に位置する十二支。
- 同じ季節を作る十二支。
- 三角形を作る十二支。
- 互いに結びつく十二支。
こうした十二支同士の配置や関係に一定の法則を見いだし、
現実の動きを読むのが位相法である。
十二支同士の基本的な位相法は、大きく二つの方向に分けて考えられる。
合のグループ
気が集まり、まとまり、融合する方向。
- 三合会局
- 半会
- 支合
- 方三位
散のグループ
まとまっていたものを分けたり、崩したり、動かしたりする方向。
- 対冲
- 害法
- 刑法
- 破法
十二支同士の基本位相法をこの8種類として整理する。
なお、算命学の流派によっては「合法・散法」の分類方法や名称が異なり、
対冲を「冲動」と表記するケースもある。
そして、ここで重要なのは、
合=吉、散=凶ではない
ということ。
合は物事をまとめ、広げる。
しかし、望ましくないものまで大きくなる可能性がある。
散は物事を壊したり分離させたりする。
しかし、不要になったものを手放すきっかけになることもある。
位相法は、幸運・不運のスタンプではない。
「現実をどう動かす力なのか」を見るものと考えた方が分かりやすい。
合法|二つ以上の気がまとまる
まずは「合」のグループから見ていこう。
今回扱う十二支同士の合法は、支合・半会・三合会局・方三位の四つ。
すべて同じ「結びつく作用」ではあるが、結びつき方はそれぞれ違う。
支合(しごう)とは? 無理なく結びつく関係
支合(しごう)は、二つの十二支が結びつく関係を表す。
全部で6組ある。
支合の6つの組み合わせ
支合は、十二支同士が自然に結びつきやすい関係。 6つの組み合わせがあり、それぞれ異なる十二支同士が一組になる。
支合が表すのは、二つの十二支の間に「まとまる方向の力」が働くこと。 恋愛相性は支合だけで決めず、ほかの位相法や十干、蔵干なども重ねて見ていく。
十二支を円で見る「支合」
十二支を円形に並べると、支合となる6つの組み合わせが見えてくる。 金色の線で結ばれた二つの十二支が、支合の関係である。
半会(はんかい)とは? 違う世界が結びつき、広がる
半会(はんかい)は「三合会局」が元になっている。
三合会局を作る三つの十二支のうち、二つがそろった状態を半会という。
半会の12の組み合わせ
半会は、三合会局を構成する三つの十二支のうち、 二つがそろった状態をいう。 水・木・火・金の4つのグループから、それぞれ3組ずつ、 合計12種類の半会が生まれる。
三支がそろえば「申・子・辰」の三合水局となる。
三支がそろえば「亥・卯・未」の三合木局となる。
三支がそろえば「寅・午・戌」の三合火局となる。
三合会局では三つの十二支がそろうが、 半会ではそのうち二つがそろう。 恋愛相性では、異なる世界を持つ二人が結びつくことで、 行動や人間関係の範囲が広がる関係として読み解いていく。
十二支を円で見る「半会」
半会は、三合会局を構成する三つの十二支のうち、 二つが結びついた状態。 円の中では、それぞれの三角形を構成する一本の辺が、 一つの半会を表している。
たとえば申・子・辰の三角形では、 「申×子」「子×辰」「申×辰」の三つの半会が生まれる。 三支すべてがそろうと、三合水局という三合会局が完成する。
三合会局(さんごうかいきょく)とは? 三つの十二支が一つの世界を作る
三合会局(さんごうかいきょく)は、十二支を円形に配置したとき、正三角形を作る三つの十二支がそろう関係を表す。
全部で4組ある。
三合会局の4つの組み合わせ
三合会局は、十二支を円形に並べたとき、 正三角形を作る三つの十二支がすべてそろった状態。 水・木・火・金の4つの会局がある。
三合会局では三つの十二支がすべてそろう。 この三支のうち二支だけがそろった状態が「半会」となる。 つまり、半会で見ていた三角形の辺がすべてそろい、 一つの正三角形が完成した状態が三合会局である。
十二支を円で見る「三合会局」
十二支を円形に並べると、 三合会局を作る三つの十二支は正三角形を描く。 4つの三角形が、それぞれ水・木・火・金の会局を表している。
たとえば三合水局では、 申・子・辰の三つがすべてそろうことで正三角形が完成する。 このうち「申×子」「子×辰」「申×辰」の 二支だけがそろった状態が半会となる。
方三位(ほうさんみ)とは? 同じ季節の気が集中する
方三位(ほうさんみ)は、一つの季節を構成する三つの十二支がそろう関係を表す。
春・夏・秋・冬、それぞれに一組ずつある。
方三位の4つの組み合わせ
方三位は、同じ季節を構成する三つの十二支が そろうことで成立する。 春・夏・秋・冬、それぞれに一組ずつ存在する。
三合会局は、異なる季節にある三支が結びついて 一つの五行へまとまる関係。 方三位は、同じ季節に並ぶ三支がそろうことで、 一つの季節・方位の気が強く集中する関係である。
十二支を円で見る「方三位」
方三位では、十二支円の中で隣り合う三支が 一つの季節を作る。 春・夏・秋・冬の四つのまとまりを見ると、 三合会局との違いも分かりやすい。
三合会局では、円の離れた場所にある三支が 正三角形を作って結びつく。 一方の方三位では、同じ季節に属する隣り合った三支が 一つのまとまりとなる。
散法|まとまりを崩し、動かす
ここからは「散」のグループ。
- 対冲
- 害法
- 刑法
- 破法
の四つを見る。
「散」という字を見ると悪い印象を受けるが、算命学では散法そのものを単純な凶とはしない。
まとまっているものを壊すことが、状況によっては必要な働きになるからである。
恋愛でも同じ。
安定することだけが、必ずしも良い関係ではない。
- 相手によって自分の価値観を壊される。
- 今までの生き方を見直す。
- 距離を置くことで関係が整う。
そうした動きも、人間関係の一部である。
対冲(たいちゅう)とは? 真正面から向き合う関係
対冲(たいちゅう)は、十二支を円形に並べたとき、真正面に位置する十二支同士の関係を表す。
全部で6組。
対冲の6つの組み合わせ
対冲は、十二支を円形に並べたとき、 真正面に位置する二つの十二支によって成立する。 性質の異なる二つの気が向き合い、 互いを強く動かす関係である。
対冲が表すのは、二つの十二支が真正面から向き合い、 互いの状態を動かしやすい関係であること。 恋愛では、価値観の違いが衝突になることもあれば、 自分にはない考え方に触れることで大きく成長するきっかけにもなる。
十二支を円で見る「対冲」
十二支を円形に並べると、 対冲となる二支は必ず真正面に位置する。 中心を通って結ばれる6本の線が、 対冲の6つの組み合わせを表している。
どの組み合わせも十二支円では180度反対側に位置する。 そのため対冲は、似ていないから悪いというより、 正反対の性質が互いを強く動かす関係として捉えると分かりやすい。
害法(がいほう)とは? 気持ちと現実が噛み合いにくい
害法(がいほう)は、支合のまとまりを切る関係として説明される。
こちらも6組ある。
害法の6つの組み合わせ
害法は、十二支同士の間にズレが生まれやすい関係。 正面から激しくぶつかる対冲とは異なり、 気持ちと行動、期待と現実が噛み合いにくい形として現れる。
害法が表すのは、二人の間で気持ちと現実が 同じ場所に着地しにくいという関係性。 恋愛では「察してほしい」に頼りすぎず、 気持ちや予定を言葉で確認することが大切になる。
十二支を円で見る「害法」
害法は、十二支円の中で決まった二支の間に生まれる。 対冲のように真正面からぶつかるのではなく、 少しずれた位置同士が結ばれるところが特徴である。
対冲のように180度反対側の十二支がぶつかるのではなく、 少しずれた位置にある二支の間で不一致が生まれる。 恋愛では、相手に悪気がなくても 気持ちやタイミングが噛み合わない関係として捉えると分かりやすい。
刑法(けいほう)とは? 和を保ちにくく、摩擦が生まれる
刑法(けいほう)は、三合会局や方三位のまとまりを崩す法則として説明され、「争い」「和を保ちにくい」といった性質を持つ。
刑法は一組だけではなく、いくつかの種類に分かれる。
刑法の4種類と組み合わせ
刑法は一つの形だけではなく、 庫気刑(こきけい)・生貴刑(せいきけい)・旺気刑(おうきけい)・自刑(じけい)の4種類に分けられる。 二支または同じ十二支同士の間に、 摩擦や争い、和を保ちにくい作用が生まれる関係である。
一度生じた違和感や対立が長引きやすい関係。 恋愛では、小さな不満を放置せず、 早めに話し合うことが大切になる。
お互いが前へ進もうとするほど、 主導権や進め方を巡って摩擦が生まれやすい関係。 感情的になったときほど、一度間を置くことが重要になる。
小さな違いからでも感情が大きく動きやすい関係。 「どちらが正しいか」を争うより、 相手の考えを一度受け止める余白が必要になる。
自刑は、同じ十二支同士で成立する特殊な刑。 恋愛では、似ているからこそ同じ弱点が刺激され、 感情が増幅する関係として捉えると分かりやすい。
刑法は、関係の中で摩擦や感情の高まりが生まれやすいことを示す。 相性そのものを否定するものではなく、 「どこで感情的になりやすいのか」を知る材料として使う。
十二支を円で見る「刑法」
刑法は一つの形では表せない。 三支が互いに刑となる関係、一組だけで成立する関係、 同じ十二支同士で成立する自刑があり、 円の中にも異なる形として現れる。
庫気刑と生貴刑は三支の間に複数の刑が成立し、 旺気刑は子と卯の二支、 自刑は同じ十二支同士で成立する。 そのため、刑法は他の位相法よりも複数の形を持っている。
破法(はほう)とは? 小さな崩れが入り込む
破法(はほう)は、まとまりの中に小さな崩れや綻びを生じさせる関係として説明される。
こちらは4組ある。
破法の4つの組み合わせ
破法は、十二支同士のまとまりに 小さな崩れや綻びが入りやすい関係。 対冲のような大きな衝突とは異なり、 関係の中に少しずつ違和感が生まれるような形で現れる。
破法は散法の中では比較的作用が弱く、 単独で大きな変化を起こすというより、 他の散法と重なったときに作用が目立つことがある。 恋愛では「小さな違和感を放置しない」という視点で 捉えると分かりやすい。
十二支を円で見る「破法」
破法には4つの組み合わせがある。 十二支を円形に配置すると、 対冲のように中心を貫くのではなく、 円の四方向に独立した線として現れる。
対冲や害法とは異なり、 破法に該当する組み合わせは4つ。 単独では比較的穏やかな散法だが、 害法・刑法・対冲など他の散法と重なることで、 崩れの作用が目立つ場合がある。
8つの位相法を恋愛の言葉にすると
位相法が見ているのは、 単純な「相性が良い・悪い」ではない。 二人が出会ったとき、 その関係にどんな動きが生まれやすいのかを見るものである。
二つ以上の気が結びつき、 関係を作ったり広げたりする方向へ動く。
無理に合わせようとしなくても、 お互いを受け入れながら 関係を築きやすい。
相手との出会いによって、 自分一人では触れなかった考え方や世界へ 広がっていきやすい。
三支がそろうことで、 二人の関係が一つの大きな方向へ 動き始めやすい。
同じ季節の三支がそろい、 二人の力が一つの方向へ 集中しやすくなる。
二人の間に揺れやズレ、摩擦が生まれることで、 それまでの状態を変化させる方向へ動く。
価値観や物事の捉え方が違うからこそ、 相手の存在が自分を大きく動かす。
好きなのにタイミングが合わない。 良かれと思ったことが、 相手には違う意味で伝わることもある。
主張や感情が強くなりやすく、 小さな問題でも 摩擦へ発展することがある。
大きく衝突するというより、 小さな違和感や迷いが 関係の中へ入り込みやすい。
自然にまとまる関係には居心地の良さがある一方で、 変化が生まれにくいこともある。 反対に、衝突やすれ違いのある関係が、 自分の価値観を大きく変えることもある。
星導界では位相法を、 二人を「相性が良い・悪い」に分けるためではなく、 「この二人は、どこで結びつき、どこですれ違うのか」 を知るために使っていく。
「合法が多い二人=最高の相性」ではない
ここはかなり重要である。
たとえば、二人の間に支合や半会がたくさんある。
一見すると、
「めちゃくちゃ相性がいい」ように見える。
しかし合には、「まとまる」「広がる」という作用がある。
広がってほしくないものまで広がれば、それが負担になる可能性もある。
反対に散法は、「壊す」「分ける」方向へ作用する。
- いらなくなった習慣。
- 依存した関係。
- 無理をして続けていた環境。
そうしたものを手放す場面では、散の作用が必要になることもある。
算命学でも合法=吉、散法=凶という単純な判断はしない。
恋愛でも同じ。
- ずっと一緒にいることだけが良い関係ではない。
- 少し距離を置いた方がうまくいく二人もいる。
- 価値観をぶつけ合うことで、関係が深まる二人もいる。
だから相性とは、二人を一つの点数にすることではない。
というのが星導界の考え方になる。
相性では一つの十二支だけを見ない
一人の命式には、年・月・日それぞれに十二支がある。
二人の相性を見る場合も、一組の十二支だけではなく、
双方の年支・月支・日支の間にどのような位相法が成立するかを見る方法がある。
たとえば、自分の日支と相手の日支には支合。
一方で、自分の月支と相手の年支には対冲。
そんな二人もあり得る。
だから、「この二人には対冲があるから相性が悪い」では情報が足りない。
- ある場所ではまとまり、
- ある場所ではぶつかり、
- 別の場所では世界が広がる。
人間関係が一言で説明できないのは、むしろ自然なことだと言える。